40インチ 5K2Kディスプレイを使ってみた LG 40WP95C-W



前回の動画で、LGの40インチ5K2Kディスプレイ、40WP95Cを設定してみましたが、今回は、実際に使ってみての感想です。


■第一印象

新しいものを手に入れた、というのはありますが、テンションが上がりますね。
視界の8割ぐらいがディスプレイなので、没入感は半端ないです。

厳密に比較したわけではないですが、色も鮮やかですし、かつ自然です。
MacBookProの液晶と並べても、思ったよりも違和感がないです。

テレビだと、画面の大きさ=迫力、ですが、Macの場合は、画面の大きさは、作業がしやすくなることです。
実際に使ってみた結果としては、確かに、40インチ5K2Kになったことで、作業が格段にやりやすくなりました。

横に1K分、表示領域が増えただけでなく、今まで使っていたDELLの27インチよりも、使える解像度や見え方が違うな、とも感じました。

こんな感じで、第一印象は、かなりいいです。90点ぐらい。

ここからは、数日使ってみた中で、実際の使い方の例を見ていきたいとおもいます。

■プライベート作業のパターン

まず基本形ですが、Macで5K2Kの領域を全部使う方法です。

今、ちょうどこの動画の原稿を書いているところですが、画面を横方向で4分割していて、1番左は、調べ物用のSafari、2番目は原稿の1つめ、3番目は原稿の2つめ、4番目は、上下で分かれていて、上が写真、下はBGM用のミュージックアプリとなっています。

27インチでは、横方向を2分割で使っていたので、40インチを購入する前は、1つ増やして、3分割で使うことを考えていましたが、さらにひとつ増やして4分割でもいけました。
必要なウィンドウを前後に重ねず、全部横にならべておける、というのは、作業効率がめちゃくちゃいいですね。

Keynoteで、説明用のスライドを作成は、左に調べ物用のブラウザ、次に原稿、右下に大きくスライド作成画面があって、上には、素材の写真を置いています。
原稿を見ながら、必要なスライド作成をし、必要なところは調べ物したり、写真素材を貼りこんだり、を、ウィンドウを切り替えることなく、作業ができてしまいます。

動画の作成は、購入前に想定した使い方と、実際に作業してみてでは、ちょっと違っていました。

振り返ってみると、動画の作成は大きく2つの段階に分かれていて、素材を集めて組み上げる段階と、それが終わると、それぞれを調整して仕上げていく段階、となっていました。

組み上げる段階では、編集アプリを真ん中に置いて、原稿や素材の写真、ファイル、調べ物のブラウザなどを両端に置いておきます。
両端から、真ん中に集めて配置、みたいな感じですね。
ここでは、動画編集アプリのウィンドウは、それほど大きくない方が、移動量が少なくて、むしろやりやすかったです。

仕上げの段階は、編集アプリの中で、音量、写真の位置、明るさなどを調整したり、というところですが、このときは、編集アプリを全画面表示にします。

購入前は、いくらなんでも、動画編集アプリをこんな大きくする必要はないだろうと、思っていたのですが、プレビューを大きくみたいときや、たくさんの素材に一括で調整をかけるために、たくさん選択するときには、全画面表示の方が効率がいいと思いました。

当然、この調整段階でも、素材を足したい、となることはあります。
なので、全画面表示のショートカットである、シフト+コマンド+FをSTREAM DECKに登録して、ワンボタンで全画面表示と、分割表示を切り替えられるようにしました。

ゲームをプレイするパターン。
引き続きMacでも、FF14で遊んでいますが、5K2Kでフル画面表示すると、かなりの迫力です。
ただ、これぐらい描画領域が大きくなると、FPSは30ぐらいに落ちてしまいます。

実際にMacでFF14をプレイするときには、こちらの2画面パターンでやりたいところです。

27インチの時は、ゲームプレイ時は、フルスクリーンにしておいて、攻略情報なんかをみたい時は、別デスクトップに切り替え、ブラウザを表示して、内容を覚えて、またゲームに戻る、ということをしていました。
5Kディスプレイなら、4Kにゲーム、1Kに攻略情報などを並べて、見ながらプレイできるわけです。
FF14は、ボス戦などのギミックが数多くあるので、覚えられないときに便利です。
これを左右に十分な大きさで並べることができるのがいいですね。

FF14だけではなく、PS5をリモートプレイする場合にも使えます。
今は、FF14と並行して、寝かしていたホライゾンもプレイしています。
残念ながら、PS5は、ウルトラワイドに対応していないので、フル画面表示しても、左右が黒くなるだけですが、こちらも攻略情報を出しながらプレイできます。もっとも、ホライゾンは、今の所、攻略情報が必要な場面はそれほどないので助かっています。

■仕事パターン

後から気づいたのですが、プライベート作業では、横方向4分割が作業しやすかったのですが、仕事では、横方向4分割ではなく、3分割が使いやすかったです。

これは、実物ではなくイメージですが、左上にメール、その下にチャットアプリ、真ん中上段はスライド作成、下はノート、右側はデータのエクセル、みたいな感じです。

データを見たり、シミュレーションしながら、ノートにまとめ、その内容をスライドに落として、共有する。
途中、チャットで相談したり、できたものをシェアする、というようなワークフローになります。

プライベート作業と違って、仕事の場合は、ひとつひとつのアプリの作業が、もうちょっと深いのか、アプリにサイドバーがあったりで、細かく割りすぎるより、それぞれに十分な作業スペースを確保した結果、3分割が良さそうと判断したようです。

ここまでは、5Kの画面をプライベート用、仕事用のそれぞれのMacでフルに使う実例でした。

■ピクチャーバイピクチャー

2つの別の機器の表示を横に並べることができるPBPの機能の使用例です。

仕事メインで、プライベートサブ

仕事中に、音楽を流したり、ちょっと休憩というときに、ニュースや、動画をみたりするパターン。
仕事用のMacは、4Kディスプレイとして利用でき、残り1Kに、プライベート用のMacで、ミュージックアプリや、ブラウザを使えます。

MacOS Montereyから搭載された、ユニバーサルコントロール機能を使うと、ひとつのMacのマウス、キーボードを隣のMacでも使うことができますし、マウスカーソルもそのまま移動できます。
これをPBPで並んだ2台のMacで使うと、まるで1台のMacの別のウィンドウのように使えます。

ここまでは、Mac内で1画面でウィンドウを並べるパターンでしたが、ここからは、Mac以外も使うものです。

これは、Switchですが、残念ながら、Switchは、16:9しか対応していないので、21:9の5Kモニタだと、両端が黒くなり、32インチ程度の4Kディスプレイになります。
こちらは、PBP機能で、左側の4K部分は、Switchのゲーム画面を出して、残りの1K部分にMacのブラウザで攻略情報を出したパターン。

これはiPad Proで、原神をプレイするときのパターン。
iPad Proは画面比率が4:3なので、4Kに出力すると、端に黒帯がでます。

PBPには、4K+1Kのパターンだけではなく、2.5K+2.5Kのパターンもあるのですが、これは左がMac、右がiPad Proのパターンです。
iPad Proは、4:3の画面比率なので、2.5Kx2Kだと、黒帯が上下に少し出るぐらいです。
また、iPadもユニバーサルコントロール対応しているので、iPadをMacのマウス、キーボードでそのまま操作できます。

こんなふうに色々なパターンで、表示ができるわけですが、40インチ、5Kという広大な表示領域があるおかげで、表示はできるが、中途半端なサイズで、実際には使えない、ということがなく、どれも実用的なところが、このディスプレイの一番の利点だといえます。

■想定よりも広く使えている

買う前には3分割での利用を考えていたのですが、実際には、4分割でも利用できる、ということがわかりました。

これは、パネルの大きさの違いからくる、ピクセルの大きさ、解像度設定、ディスプレイの距離、が関係していそうです。

27インチで、4Kを最大解像度で使うと、文字やインターフェースが小さすぎて使いにくいのですが、40インチだと、ピクセルの大きさは1.2倍なので、十分実用的な大きさになります。

そこにさらに、5Kディスプレイということで、横に1K分作業領域が増えるので、さらに広く感じるわけです。

■距離を空けられる

27インチでは、ディスプレイを手前に寄せて、60cmぐらいのところに設置して使うことが多かったです。
これが40インチでは、60cmでは近すぎるので、80cmぐらいと距離をあけてます。

眼とディスプレイとの距離を開けられると、

  • 前腕をデスクの天板において、体を支えられるので、より腰痛になりにくそう
  • そもそも天板を広く使える
  • ディスプレイやキーボードの移動距離が減る
  • 老眼対策でピントを合わせる距離が稼げる

というような利点を感じてます。
ただこの辺は、購入直後のテンションでの感じ方なので、本当にそうなのかは、もうちょっと使ってみてからも、再度確認しようかと思っています。

等倍表示にすると、文字の精細さは下がることになり、確かに近寄ると粗いなと思うのですが、80cmの距離をとると、そこがあまり気にならない、というのもあります。

このように40インチ5Kディスプレイは、作業領域が大幅に広くなり、自分にとっては、かなり良さそう、という最初の感想になったわけです。

■4Kなら32インチでいい

一方で、5Kまで行かなくても、4Kでも、画面を大きくすると、解像度設定を広くして、作業領域を拡大することもありそうだな、と思いました。
4K、16:9で、このディスプレイと同じような表示にするには、32インチディスプレイでよいことになります。

32インチ4Kディスプレイであれば、10万円前後のようなので、横に1K増やすのが、+5万円ということになります。

■その他の特徴の感想

このディスプレイの最大の特徴である、40インチ、5K2Kという部分についての感想は述べたので、それ以外の実際に使ってみた特徴について触れていきたいと思います。


■HDR対応

40WP95Cは、一応HDR映像にも対応していて、Macのディスプレイからも、HDR対応ディスプレイとして認識されました。
とはいえ、明るさは、300cd/㎡しかないので、MacBook Proのような、明るい箇所が眩しいぐらいのHDRらしい表示ができるわけではありません。

■湾曲ディスプレイ

自分にとっては初の湾曲ディスプレイですが、湾曲具合が割とマイルドな方であることもあって、それほど違和感はありません。
これぐらいなら、わざわざ湾曲させずに、平面でも良かったのではないかとも思います。

ベゼルは細く見えますが、表示領域は1cmぐらい内側から始まりますので、意外と太いのかもしれません。
ただ、普段使っている分には、ベゼルは、視界の端の方で見えないので、気にはなりません。

気になっていた顔のロゴマークですが、じっとみていると気になりますが、今のセッティングだと、デスクの上5cmぐらいの低い位置なので、これも気にならないところです。

■表面

液晶の表面は、つや消しで反射は結構抑えられている方ではないかと思います。
背面は、ホワイトで、マットな加工がされています。

我が家の場合は、背面はリビング側からよく見えるので、ホワイトは圧迫感がなくて、よかったかもしれません。割と大きなロゴもありますが、色がついているわけではないので、目立たないですし、上からライトを設置したりしているので、これも今のところ、あまり気になっていないところです。

■ポート

ポートの位置ですが、DELLの27インチのときは、下方向に隠した形で設置できたのですが、40WP95Cの場合は、背面パネルに対して垂直方向に刺す形です。
最初はDELLの方が好みかと思ったのですが、モニタアームを使う場合、垂直方向に刺す方が、ケーブルの曲げがなく、また、距離も近く設置されているので、こちらの方がいいな、と思いなおしています。

ポートは、Thunderbolt、DisplayPort、HDMIを一つ使っていて、まだHDMIがひとつ、USB、デイジーチェーン用のThunderboltポートが未使用です。

側面にあるUSBポートですが、DELLよりも、奥まった位置についていて、正面側からはどこにあるのか、まったく見えません。頻繁に抜き差しして使うようなものは使いにくそうです。

DELLの時は、デスクライトの電源をディスプレイのUSB端子から取っていて、ディスプレイの電源に連動して、デスクライトもオンオフされていて便利でした。
ですが、40WP95Cは、USBポートも少なく、位置も端についているので、アーム側に配線を伸ばし、Thunderboltドックから給電しています。
これでは、ディスプレイのオンオフと、デスクライトのオンオフが連動しないので、不便に感じているところです。

■操作面

ディスプレイの入力切り替えや、設定変更は、正面下にあるジョイスティックで行います。
DELLの時は、5つのボタンがあったのですが、何番目のボタンを押すのかは、直感的にわかるわけでないので、ここを触れば全部できるジョイスティックはわかりやすいです。

操作できる内容は、画面表示をみてわかることもありますが、公式サイトからはPDFのより詳しい説明書がダウンロードでき、そこで全容を把握することができます。

自分の場合、気になっていたのは2画面表示の設定ですが、設定メニューの入力から、PBPを選ぶことで設定できました。
PBPは、2種類しかなく、5120の画面を横に等分して、2560の正方形に近い画面で表示するモードと、メイン画面を16:9、サブ画面を5:9の縦長で表示するモードがあります。

この2種類でもいいのですが、右にサブ画面を置くパターンしかなく、個人的には、左にサブ画面を置くパターンが欲しかったな、というのが残念ポイントです。

PBPに割り当てられる入力には、制限はなく、どの入力でも割り当てられますし、左右をひっくり返すこともできます。


■スピーカー

おまけ感のあるスピーカー機能ですが、Macのサウンド出力先として認識されます。意外だったのは、DisplayPortの接続でも、音声が出力できること。
なお、音質は篭っていて、一応ステレオのようですが、画面の下から聞こえてくるからか、広がりもなく、本当におまけ程度、というところです。
用途は、ウェブ会議などでも聞き取りにくい感じなので、動作確認用ぐらいです。

Switchなんかを接続したときは、音はこのスピーカーからでるので、ゲームをするには物足りなくなりそうです。自分の場合は、ヘッドフォン端子から、外付けスピーカーに接続することにしました。
音量は、ジョイスティックで変更できます。


■気になる点

画質もよく、大画面で迫力があり、さまざまな使い方ができそう、と、良い点はいくつも感じられたのですが、気になった点もあります。

さまざまな使い方ができるのはいいのですが、その設定のための操作がかなり煩雑です。

たとえば、前日にプライベートMacで1画面で使っていたところから、仕事の日になって、PBPで2画面で使おうと思うと、
ジョイスティック押し込み
右前右前前前押し込み前押し込み左左左
とこれだけ操作しなくてはいけません。
さらに、MacOSで、ディスプレイの配置も変える必要があります。

40WP95Cには、Mac用のオンスクリーンコントロールというアプリがあったので、そこで、Mac上で、操作ができるかと期待していたのですが、Macのウィンドウを整列する機能と、ファームウェアアップデートの機能しかなく、動作も若干怪しかったので、アンインストールしました。

よく使う設定3つぐらいを記憶して、ショートカットで呼び出すぐらいできても良さそうなものです。

また、前にも述べましたが、PBPの選択肢が少ないのも気になります。せめて、左に1Kのサブ画面を置くパターンも欲しかったです。

■DisplayPortの接続品質

本体の性能なのか、不具合なのか、我が家の環境なのかわからないのですが、DisplayPort接続だけで使っていると、たまに一瞬横線が入って消えたり、画面全体が暗くなって、またついたり、という現象がおきます。
Thunderboltポートだと起きないので、ディスプレイ機能全体の問題というより、信号の問題かな、と思いますが、気になるところです。

■消費電力

今回、動画をまとめるにあたって、購入前よりも、色々な情報を整理していたのですが、その中で気になったのは、消費電力の高さです。
DELLの倍ぐらいあります。
他の機種も見てみましたが、総じてDELLは低め、LGは高めでした。計測の仕方などが違うのでしょうか。

■まとめ

40インチ5K2Kディスプレイの導入は、若干の不満はあるものの、全体としては、かなり満足度の高い買い物となりました。

■5K x 2K

一つのアプリでしか作業しなかったり、文章作成ぐらいであれば、27インチ4Kで十分でした。
ですが、データ編集、映像やスライドの作成など、リファレンスを参照しながら、こちらのアプリで素材を作って、編集したり、と複数のアプリにまたがり、かつ、それぞれの中でも深い作業する場合には、この40インチ 5Kのディスプレイは、非常に価値の高いものだと実感できました。

その理由は、画面サイズとピクセルサイズの拡大で、最大解像度でも実用的な表示を確保できるのと、4Kに加えて、幅が1K増えることで、ウィンドウを横方向にさらに1枚広げられることによるものでした。

いやしかし、残りの人生の中で、Mac用としては、多分これ以上のサイズのディスプレイを買う必要は感じないと思います。

到着後、数日の感想ですので、またなにか感じることがあったら、お伝えしたいと思います。

LG 40WP95C-W