BOBO VRをVision Proで使用する




Vision Proの装着性を改善するために、Quest3用のサードパーティ製ストラップ、BOBO VR M3 Proを購入してみたので、紹介します。

■BOBO VRの特徴

BOBO VRは、PSVR型のストラップで、基本的な構造が輪っかを頭に乗っけて、そこから本体を吊り下げる形になっています。
なので、本体が顔に押しつけられることがないため、前後挟み込みタイプよりは、快適です。

輪っかの前後は、ダイヤルで締めることができますし、縦方向に沈み込みすぎないよう、押さえがついています。
頭にあたる箇所は、柔らかめのクッションが施されていて、痛みは感じにくくなっています。

つくりは、薄いプラステイックが多く、全体的にチャチに感じますが、おそらくこれは、軽量化に貢献している感じです。

■使ってみての感想

実際にVision Proで使った感想ですが、個人的には、純正のソロニットバンドなどよりも、圧倒的に自分に合っていて、Vision Proを長時間利用することができるようになりました。

純正バンドは、前後挟み込むタイプなのに加えて、Vision Proの全重量が前にかかっているので、どうしても顔面が強く押し付けられます。

BOBO VRのセットでは、ライトシールドを外して、本体を全く顔に接着させないこともできるので、顔が圧迫されることもなければ、ムレなどもないですし、汗などが本体につくことはありません。

■使うまでの準備

BOBO VRは、Questシリーズ用なので、そのままではVision Proに使うことはできません。
Chris Busilloさんという方が、BOBO VRをVision Proで使うためのアダプタの3Dモデルを無料で配布されています。

Quest3は、ストラップが交換できるようにレールがあるようで、そのレールと互換性がありつつ、VisionProのストラップ部分を繋ぐアダプタになっています。

このアダプタを自分で3Dプリントすれば、BOBO VRがVision Proで使えるわけです。

自分は3Dプリンタを持っていないのですが、その代わりにネットで注文すれば、配送してくれるサービスがあり、自分はこちらを利用しました。

■具体的な手順

このパーツ入手の具体的な手順はこんな感じでした。

  • 3Dモデルのダウンロード
  • 左右分割
  • 3Dプリントサイトへのアップロード
  • アカウント・支払い
  • 受け取り


まず、Printablesという3Dモデルの配布サイトから、3Dプリントをダウンロードします。
自分は、

Apple Vision Pro Rails M3 v6.stl

を選びました。stlというのは、3Dプリンタ用のフォーマットだそうです。
Macにダウンロードすると、そのままプレビューで見ることができて、プレビューアプリの中で回転もできますね。

■Blenderで左右のパーツをわける

次が一番難度が高いかもしれません。
自分が利用した3Dプリントサイトは、パーツが一つずつ分かれている必要があるのですが、配布されていた3Dモデルは、左右が一体となって、ひとつのファイルになっていました。
なので、左右を分割する必要があるのですが、自分の場合は3DモデリングアプリのBlenderで、片方を消したファイルを作成して、分割することができました。
Blenderを使ったことがない人は難しい気もしますが、Blenderにstlファイルを読み込み、片方を消して、新しいstlでエクスポートする手順で、最終的には使えました。

■3Dプリント会社選び

左右に分割したファイルができたら、これを3Dプリントサイトにアップロードします。
自分が利用したのはJLCPCBというところです。
どこか外国の会社のようですが、細かいことはよく調べていなかったです。
国内でも見積もりをとってみたのですが、1万円以上かかったので、安そうなところを探してみて、見つけました。

この会社に依頼して、自分の場合、実際に支払った金額は、送料込みで1187円でした。
セキュリティも心配ではありますが、アカウントはGoogleを使い、支払いはApplePayを使ったので、そんなに重要な情報は渡っていないのかな、と思います。

■アップロード

注文には、3Dモデルのファイルをアップロードする必要がありますが、行き方はトップページから、リソースを選び、3D Printingを選びます。
Add 3D Filesを選び、まず、左右どちらかをアップロードします。
素材などの指定ができるようでしたが、よくわからないのでデフォルトを選びました。
もう片方も同じようにします。

SAVE to CARTでカートに保存します。

■アカウント支払い

ここで、Googleアカウントでログインし、配送先は、アルファベットで入力。
ApplePayで支払い

■届くまでの日数

支払いが終わった日から
1日後に製造、
2日後に出荷、
5日後に日本に到着、
7日後に自宅に到着しました

■取り付け

到着したパーツをBOBO VRに取り付けます。
Vision Proから、純正のバンドを外します。
ストラップを、Vision Proのアームに取り付けます。
自分は、前面カバーをつけているので、このカバーにBOBO VRの上側の面テープを通すことで、万が一、落下した時に引っ掛かるようにしてみました。

一旦これで装着できますが、Vision Proのバッテリーもこのストラップに取り付けてしまいます。
自分は、スマホポーチを後部に、面テープでくくりつけています。
バッテリー自体は、着脱しやすくはなっています。

BOBO VR M3 Proには、外部バッテリーが付属していますが、これを使うこともできます。
パワー的に、出力が弱いのか、Vision Proを使いながら充電することはできないのですが、延命にはなっている感じです。

■装着方法

複雑な形状をしているように見えますが、装着方法は割と簡単です。
BOBO VRは、真ん中で2つ折りになるのですが、これがかなり便利で、折った状態で前半分を頭にあてたら、そのまま後ろ半分を伸ばします。
これで終わり。ダイヤルで締めることはできますが、バランスが取れているので、締める必要はありません。

■最後に

このセットの重量を測ってみると、1.25kgもあるため、正直、誰にでもおすすめできるものではないのですが、Vision Proを長時間使いたいけど、顔面がきつい、という方は検討してみてもよいかとおもいます。

明らかに今のVision Proの重量バランスは、よくないと思うのですが、かたや1.25kgもあると、さすがに使える人も減ってしまうので、今のVision Proのバランスは苦渋の選択なんでしょうか。
個人的には、前面ガラスやEyeSightディスプレイを削除して、軽量化してくれるといいかな、と思っています。


■商品紹介
↓BOBO VR M3 Pro
https://amzn.to/45CZNZW

↓Vision Pro用アタッチメント
https://www.printables.com/model/772403-apple-vision-pro-to-bobovr-rails-m2m3

↓3Dプリントサイト
https://jlcpcb.com