動画編集用の左手デバイスとしてtourbox Eliteを買ってみた
2022/08/07 22:29 カテゴリ:MacBook
クラウドファンディングで注文していた左手デバイス、tourbox Eliteがきたので、紹介します。
左手デバイスを先に説明すると、右手でマウスなどを操作する時に、普通は、左手で、キーボードのショートカットなどを操作します。
それをキーボードの代わりに、左手側で操作する専用の入力装置、が左手デバイスということになります。
自分の場合は、このtourbox Elite以外にも、StreamDeckという左手デバイスをすでに利用しています。
StreamDeckは、液晶を内蔵した自分で変更可能なボタンが32個もある、という非常に便利なものですが、このStreamDeckに加える形で、tourbox Eliteを導入してみました。
購入した理由
StreamDeckはボタンしかないのに対して、tourbox Eliteの最大の特徴は、3つのダイアル型インターフェースが使われてることです。これによって、スクロールや、拡大縮小など、連続した動きを直感的に変更できます。
自分の場合は、FinalCutの編集をする時に、タイムラインの拡大縮小をするには、ダイアル式のインターフェースが都合がよさそう、と思ったわけです。
tourboxシリーズは、割と昔からあって気になっていたのですが、このEliteというモデルから、Bluetooth LEでワイヤレスになったのが、今回、導入しよう、と思ったきっかけになっています。
ワイヤレスということで、USBケーブルは付属してませんでした。代わりに単3の電池が2本付属しています。以前の製品では、収納ケースのようなものが付属していたみたいですが、この製品には最初からないようです。
本体の重量は、おもりが入っているようで、かなり重くなっています。机に置いた時に、簡単に動きそうにはないのは好印象です。ですが、持ち上げにくい形状なので、位置変更するのは、ちょっと大変です。
Bluetoothのペアリングは、背面のボタン長押しで行えます。
2台のMacとペアリングできるようで、このボタンを短押しで切り替えられます。この場合、LEDも緑とオレンジが切り替わるようになっています。
USB-Cのポートもあるので、有線で接続することもでき、この場合は、電池がなくても使えます。
ダイアルですが、出っぱっているノブ、平たいダイアル、上下に動くスクロール、と、形状の違う3種類になっています。
それぞれのダイアルを回した感触ですが、電源が入っていない時には、スルスルと回るだけなのですが、触覚フィードバックを採用していて、電源をオンすると、振動機能で、擬似的にクリック感を演出するようになっています。
正直、触覚フィードバックの質は、AppleWatchのデジタルクラウンのように、現実と勘違いするほどではないですが、触覚でひとつカチっとなると、画面のパラメータもひとつ動く、みたいな対応はしっかりとしています。十分実用的です。
また、フィードバックなし、や、移動量は3段階で選べるようになっています。
ダイアルに、自分の好きな動作を割り当てて、使うのですが、サイド、トップ、トール、ショートという、他の4つのボタンを押しながら使うと、別の動作を割り当てられます。全部で、5通りの使い方ができるので、数が足りない、ということはなさそうです。
FinalCut Pro用の設定が、最初から付いてくるかと思ったのですが、自分で作成する必要があります。
まだ、本格的に、編集に利用する前に、動画を作成しているので、使いこなした結果ではないのですが、まずは自分で設定した内容と、いくつか詰まったところがあるので、解決した方法も共有したいと思います。
tourboxは、3種のダイアルがありますので、それぞれを何に設定したか、ですが、
- 出っぱっているノブは、再生ポイント移動
- 平たいダイアルは、タイムラインの横スクロール
- 上下に動くスクロールは、タイムラインの拡大縮小
まずは、こんな感じで設定しました。
直感的に使うためには、画面の動作方向と、インターフェースの操作方向を合わせる方がよさそうですので、FinalCutでは、横方向の作業である、再生ポイント移動と、タイムラインのスクロールを割り当てました。
ノブは出っぱっているため、指でつまめるので、微妙な操作に向いていそう、ということで、カット編集のポイント指定用にちょうど良さそうです。
ダイアルの方は、おおざっぱな移動向け、という感じです。なので、タイムラインの横スクロールを割り当てました。
上下に動くスクロールには、拡大縮小を割り当てましたが、拡大縮小は、トラックパッドであれば、左右のピンチイン・アウトに割り当てられてます。
マウスだと、ホイールの上下で、拡大縮小になることがあるので、わかりやすいかと思います。
tourboxへの割り当て方は、基本的には、それぞれのダイアルや、ボタンに、キーボードショートカットを割り当てるのですが、キー以外にもマウスホイールの操作を割り当てることもできます。
ここの割り当て方が、最初は分からなくて詰まったポイントなので、説明しておきます。
横スクロールの設定
tourboxの設定画面で、ショートカットキーを入力する欄がありますが、この右側にマウスというボタンがあります。
ここでマウスのボタン、ホイールの操作を割り当てることができます。
FinalCutのタイムラインの右への横スクロールは、シフトキーとマウスの上スクロールで設定できます。
左へのスクロールは、シフトキーとマウスの下スクロールになります。
パラメータチェンジ
もう一つ、ダイアルらしい使い方として、例えば、素材の拡大縮小のようなパラメータをダイアルで調整してみます。
これは、矢印キーの上下を割り当てるだけなので、簡単です。
自分の場合は、トールボタンとノブの組み合わせに、割り当ててみました。
触覚フィードバックが効かない?
tourboxを使い始めてすぐの時には、触覚フィードバックが効いていたのに、しばらく使っていると、いつの間にか効かなくなっていました。
電池抜きリセットしたり、再セットアップしたりしても、治らなかったので、サポートにメールで問い合わせてみました。
結論は、「振動段階調整」の設定が外れてしまっていたので、ここを再設定すれば、触覚フィードバックが復活しました。
原因は、公式サイトから、参考用に、FinalCut用の設定テンプレをダウンロードして、下書きに使っていたのですが、その設定には、触覚フィードバックの設定がなかった、からのようです。
触覚フィードバック機能は、Eliteからの機能のようなので、以前の機種では、設定自体がなかったのかもしれません。
tourboxは必要か
1-2日使ってみた感想ですが、tourboxを動画編集の用途で、あった方がいいかと言えば、なくてもいい、というところです。
3つのダイアルに、再生ポイントの移動、横スクロール、拡大縮小の機能を割り当ててみたのですが、右手でMagicMouseを使っている限り、MagicMouseでは、上下左右のスクロールも、再生ポイントの移動、スクラブもなんでもできるので、tourboxでやらないといけないことは、ほぼ拡大縮小だけ、という状態でした。
自分の場合は、今までは、その拡大縮小も、StreamDeckに割り当てていますので、tourboxを買ってみたものの、これがないとダメ、というところまでは行きませんでした。
もちろんこれは、FinalCutで、かつ、右手でMagicMouseを使っている場合に限定した話しです。
絵を描く時などで、右手がペンデバイスだったりすると、話しはまったく変わってくると思います。
StreamDeckとの違い
StreamDeckの動画を作ろうと思って、まだできていないのですが、StreamDeckの最大の特徴は、ボタンの表示を変えられるために、ボタンに何を割り振ったか覚えなくていい、という点にあります。
その点、tourboxは、何を割り振るかの自由度は、StreamDeckと大きな違いはないかと思いますが、tourboxは、液晶画面がないので、何を割り振ったかは、自分で覚えている必要があります。
おなじような操作を何度も繰り返す作業には、忘れることもないと思いますが、自分のような、趣味でちょっと触るときに便利、という点では、自分で覚えなくていいStreamDeckの方が優れています。
もちろん、StreamDeckを持っていない場合は、tourboxという選択肢もありますが、どちらかひとつだけ買うなら、StreamDeckの方が汎用性が高いので、自分ならStreamDeckを選択します。
まとめ
よさそうと思って買ってみたものの、思っていたほどではないな、ということは、たまにありますが、今回はそんな感じでした。決して、製品が悪いわけではなく、自分の作業や環境に合っていなかった、ということになります。
製品自体は、質感は、そこまで高いわけではないですが、操作性は良く、設定なんかも、ちょっとわかりにくいところはあるものの、一度わかってしまえば、自由度は高いです。製品自体の実用性は高そうです。
ダイアルインターフェースは、上下左右、増減など、2方向あって、連続した同じ入力を行う場合に適しているので、そのような作業があれば、積極的に使ってみたいと思います。
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