PSVR2を超える?PS5+VisionProで4Kゲームプレイ【Elgato 4K X】
2025/01/04 15:03 カテゴリ:Vision Pro | games
元々PSVR2を持っていたところに、後からApple Vision Proを購入したのですが、Vision Proをゲームで使うと、役割的にPSVR2と被ってきます。
PSVR2は2Kの解像度までしか表示できないのに対して、スペック上、Vision Proは4Kまで表示できるはずなので、4Kでゲームプレイができれば、これはなかなか素晴らしいのではないかと思い、チャレンジしてみました。
結果としては、Vision Proで4Kでプレイするゲームはかなり美しく、リアルさと迫力が両立しています。画面を大きく拡大しても、粗が目立つということはありません。驚愕の体験でした。
Elgato 4K X
Vision Pro+PS5で4Kゲームを楽しむための重要なアイテムが、キャプチャデバイスです。このキャプチャデバイスをElgato 4K Xに変更することで、4Kでゲームすることができるようになりました。
Elgato 4K Xは、Macなどに接続して、4K120fpsで画面を録画できるキャプチャデバイスで、PS5の4KのHDMI信号をリアルタイム変換して、USB経由でMacに表示できます。
セットアップ
PS5のゲームをVision Proで楽しむためのセットアップですが、
PS5、Elgato 4K X、Mac mini、Vision Pro
という順で接続します。
4K Xは、PS5の映像をUSBでMacに送るだけでなく、同時にそのままHDMIをスルーして、ディスプレイに出力する、パススルー出力することもできるので、このパススルー信号と、Mac Miniの映像は、5Kディスプレイに接続して表示。
PS5は、著作権保護機能のHDCP設定をオフにする必要があるため、HDCPオンが必要なYouTubeなどのメディア系のアプリはつかえません。ゲームは今のところ表示できています。
HDCPのオフ設定をするには、キャプチャデバイス経由の映像は使えないので、PS5はHDCP対応のディスプレイに接続されている必要があります。なのでパススルー接続はありがたい。
DualSenseコントローラーは、テレビと接続するときと同様にPS5にBluetoothなどで直接接続。振動機能やアダプティブトリガーなどはそのまま使えます。
Mac MiniにUSBで入力した4K映像は、ConsoleLinkという有料アプリで表示させます。
接続が終わったので、動作させてみます。
PS5の電源をオンにすると、Mac miniのConsoleLinkにPS5の画面が表示されます。
Mac miniで、ConsoleLinkを全画面表示して、この画面をVision ProにMac仮想ディスプレイで表示させます。
サウンドは、映像と同時にMac Miniにいったん入ります。
visionOSが2.2になってから、Mac仮想ディスプレイの音声がそのままvisionOSで再生できるようになったので、VisionProに仮想ディスプレイで接続した時点で、VisionProの内蔵スピーカーか、Vision Proに接続したAirPodsなどで再生されます。
これでセッティングは完了。
実際に遊ぶときは、
Mac miniを起動、ConsoleLinkを起動、ディスプレイ解像度が4Kになっているかを確認。
PS5のコントローラーでPS5を起動
Mac miniにPS5の映像が来ているのを確認したら、全画面表示にし、Vision Proを被ってMac仮想ディスプレイで接続、音声などを確認してプレイ開始
結構手順が多いですね。ただこれは、何もセットしていない状態での手順なので、セッティングを変えていなければ、
PS5を起動、Mac仮想ディスプレイで接続、プレイだけで済みます。
自分の場合は、Vision ProにMagic TrackPadを接続しているので、Mac miniの操作は、Vision Pro側からもできるので、割と面倒はない感じです。
使ってみると
Vision Proでの 4Kゲームの体験ですが、想像以上でした。
Vision Proでの表示を壁ぐらいの大きさまで拡大すると、ゲームの世界に等身大で入り込んだような感覚になります。
これは、75インチのテレビでも、ここまでの大きさになりませんし、プロジェクタでも投写する距離が必要だったり、自分の影ができたりすることを考えると、これができるのは、Vision Proならではの体験といってもいいかもしれません。
画面の大きさだけですと、今までの2Kのプレイでもできることですが、4Kの解像度があることで、ピクセルの粗を感じることがありません。
もちろん大画面だけでなく、24インチぐらいまで、ゲーム画面を小さくすることもできますので、ながらプレイなども捗ります。
色味は、ベストなセッティングが見つかっておらず、かなり明るいところが過剰に表示されている感じがありますが、彩度が高めでくっきりしているので、ゲームには合っているかな、というところです。
キャプチャデバイス自体は、120fpsまで対応しているようですが、今のシステムだと、60fpsまでみたいです。60fpsでも十分滑らか。
遅延は、普段自分が遊ぶゲームではほとんど気にならないんですが、音にタイミングをぴったり合わせるものは厳しいときもあります。それ以外は、プレイに困ることはないかな。
そうしてもうひとつ強調したい点は、この環境は、家の中であればほぼどこでも使えます。ソファでも、デスク周りでもベランダでもいいですし、座っていても立っていてもいいわけです。
今まではPS5でゲームをプレイするには、ディスプレイとしては、テレビが一番で、Vision Proはテレビが使えないときの代替手段でしたが、4Kプレイができるようになってからは、その差はかなり縮まりましたし、より大画面だったり、自由な場所で4Kゲームが楽しめるので、テレビを超えているとも言えます。
PS5をプレイする側では、PS Potralの大画面4K版とも言えますね。
Vision Proから見ると、トータルのコストはさておき、超強力なゲームソリューションになっています。
コストも、全体をゼロから買うという人はいないとは思いますが、Vision Proをすでに持っている人は、Macも持っているでしょうし、ゲームに魅力を感じるのであればPS5はあるでしょう。
その前提があれば、追加コストはキャプチャデバイスとアプリだけ。それでもちょっと高いですが、PS Portalぐらいの価格で、手持ちのデバイスを活かして、PS5の4Kゲームが家中どこでも遊べる、というのは、検討の価値はあるかも。
VisionPro対応 vs. 4Kシステム
最近、プレイしているゼンレスゾーンゼロというゲームが、Vision Pro対応して、コントローラーだけで遊べるようになりました。
てっきり処理速度の関係からVision Pro対応していないと思っていたので、対応したこと自体に驚いたのですが、画面を見た感じでは、解像度は2K程度に見えるので、iPad 版がそのままきた感じです。
処理速度で来ないと思っていた理由は、片目4Kだと、高負荷になるからというところなので、確かに2Kならありですね。
ゲームアプリがVision Pro対応するのと、この4Kゲームシステムと比較すると、やはり画質の差はかなり感じます。両方使える状態なら、間違いなく4Kの方を選びます。
もちろん、単体でプレイできるのは、旅行先やシステムをセットアップするのが面倒なときは、有用なので、Vision Pro対応してくれたことは感謝です。
実際には4Kではない
一応注意点ですが、冒頭から4Kでゲームが遊べると言っていますが、厳密に言えば、常に4Kでゲームが遊べているか、というとそうではありません。
簡単に言えば、Vision Pro内で画面を小さくすると、4K以下の解像度になってしまいます。
Vision Proは4K表示と言っているのは、片目用に用意されているディスプレイが3.8K x 3Kというところから来ていますが、この中に、ウィンドウを小さく表示すると、そこに表示されている映像は、縮小されているので、半分のサイズであれば、2K表示になっています。
リアルな世界であれば、4Kディスプレイは、近くで見ようと遠くで見ようと、4Kという細かさは変わりませんが、VisionProの中の世界は、遠い近いが擬似的に表示されているだけで、実際の目とディスプレイの距離と解像度は固定されています。
なので、Vision Proの視界いっぱいにゲーム画面を表示しているときは、4Kに近い解像度になっていますが、小さく表示しているときは、遠くに見えている4Kではなくて、2Kに縮小されている映像、2K分のピクセルしか表示されていないということです。
大画面でプレイしないのであれば、2Kのキャプチャデバイスで十分ということなります。
まあ現実でも、小さい画面でしかプレイしないなら4Kが必要ないのと同様ですね。
また、4Kに近い方の解像度でも、Vision Proは頭の動きに追従して、常に映像を描画しなおしているので、PS5の出力しているピクセルをそのまま表示、ピクセル等倍みたいな表示もできません。
PSVR2 vs. Vision Pro
ここからは、少し詳しく4Kゲームシステムの前提や経緯などを紹介します。
まずPSVR2があるのに、Vision Proでゲームをする意味ってあるの、という点。
PSVR2とVision Proは、同じヘッドセットデバイスですが、似ているところと、違うところがあります。
重さ
メガネ
有線、無線
3Dゲーム
アイトラッキング
パススルー、白黒、カラー
移動
一番重要な解像度は、PSVR2は片目2Kに対して、Vision Proは片目4Kで、ピクセル数で2.8倍ぐらい違います。
ですが、Vision ProでPS5のゲームをプレイするときには、今までは2Kでしかプレイできていませんでした。
同じ2Kでゲームを表示しても、PSVR2の場合は、スクリーンドア現象という、薄く格子状の線が入っているように見えます。
2Kしかない解像度のところ、視野角を大きく取るためレンズで大きく拡大している、そのためピクセルの隙間が見えてしまうのかもしれません。
Vision Proの方は、ピクセル密度が高いうえ、PSVR2ほどの視野角はないためか、スクリーンドア現象などはなく、綺麗に見えます。
この動画を作成するために、調べてていて知ったのですが、iPhoneの1ピクセルの大きさの中に、VisionProのピクセルは50ピクセル入るらしいです。すごい密度。
PSVR2の利点は、対応のVRゲームがプレイできることと、有線で接続しているので遅延がほぼない、という点です。
VRゲームの方は、GT7以外にはこれといったゲームが出ていないので、自分的にはPSVR2はGT7専用になったと言えます。
もともと自分は、PSVR2は、シネマティックモードで2Dゲームを遊ぶために購入したので、Vision Proの4Kを活かせるのであれば、PSVR2の上位互換ということになります。
4K対応キャプチャデバイスの導入
4K Xの導入前ですが、Vision ProでPS5のゲームをプレイするには、
直接リモートプレイ
iPad、MacでリモートプレイをAirPlay
iPad、Macでキャプチャ入力でAirPlay
の3通りの方法があります。
アプリで接続するか、キャプチャーデバイスを経由するかですね。
いずれにせよ手持ちのアプリや機材では、いずれでも2K60fpsが最高でした。
スペック的には、Vision Proは4K100Hzまで対応しているのですが、途中に挟まっているアプリやキャプチャデバイスの性能に引きずられているわけです。
リモートアプリの解像度を一ユーザーが改善することはできませんが、キャプチャデバイスを4K対応のものにすれば、PSVR2の画質を上回れるのでは、と考えました。
我が家の今のキャプチャーデバイスは、GENKIのShadowCast、というもので、HDCPオンで使えて、遅延も個人的には気にならないぐらい。ゲームでも作業的なプレイには十分使えます。
ただ、せっかく片目4Kのディスプレイを持つVision Proですから、4Kでゲームがやってみたくなるわけです。
選択の失敗
Vision Proで4Kゲームにチャレンジしようとして、最初に購入したのはIOデータのGV-HUVC/4K。
この機種は4K30fpsに対応ですが、比較的安価でトライしやすいので、最初はコマ数は30コマでもいいと思ったわけです。
ですが購入して、実際に使ってみると、PS5から2Kで出力できるものの、4K出力はしてくれませんでした。
PS5は4Kデバイスとは認識しているものの、PS5が30fpsの出力に対応していない雰囲気。
2K60fpsではShadowcastと同じになってしまいますが、このデバイスはHDCPはオフにしないと使えないので、Shadowcastよりもいいところがありません。
完全に失敗購入でした。
事前の情報収集といっても、4Kキャプチャデバイスの購入者も少なく、PS5で失敗という情報もなかったので、やってみるしかなかった感じですね。
幸い販売店に聞いてみると、返品OKとのことでしたので、返品させてもらいました。
4Kキャプチャデバイス選び
改めて仕切り直しです
多少、デバイスの価格が安いかなと思っても、時間を無駄にしただけだったので、多少高くついても、実績のありそうな安全策を取ることにしました。
4Kで表示が可能そうなキャプチャーデバイスとしては、スペック上はElgatoの4K Xか、AVerMediaのGC553G2が候補となりました。
60fps程度の性能でいいのですが、大手メーカーの4K60fpsまでの性能に抑えたもの、というのが見つけられず、どちらも120fps以上出力できるスペックを持っています。
ですが、この両方ともほとんど情報がない。
キャプチャーデバイスといえば、ゲーム配信者が主要なターゲットだと思いますが、YouTubeは60fpsまでしか対応していないので、120fps対応の機種を買う必要がないんでしょうね。
情報がないなら人柱しかないということで、Macとの相性が良さそうなElgatoの方にしてみました。
4K Xはスペック的には、4K 144fps、HDR、VRR対応とかなり高機能で、当初30fpsでいいと思っていたものに比べれば、スペックはモリモリです。
なのに、キャプチャはせずに、プレビューでしか使う予定がない、というのはちょっと勿体ない気もします。
実際に購入した結果は、先にお見せしたように無事に4Kで表示してゲームができました。
ConsoleLink
Macで4K Xの画面を表示するアプリは、いくつか探した中では、有料のConsoleLinkが良かったです。
Universal Video Classという映像入力の規格に対応していればいいのですが、例えばQuickTime Playerでも表示できるものの、2Kまでしか対応していないようです。
その点、ConsoleLinkは、設定上は4K120fpsに対応しているので、
性能的には余裕がありそう。
注意点としては、キャプチャーデバイスに入力された映像を表示するためだけのアプリで、録画はできません。
設定項目は、解像度とフレームレート、色空間
超解像や、スーパーサンプリングの設定、遅延など設定があります。
Macのディスプレイの設定が、アプリ起動時は2Kになっていて、途中で4Kに変更しても、ちゃんと切り替えてくれます。
短い期間でバージョンアップされていて、機能追加なども行われているのもポイントが高いです。
配信、キャプチャアプリとして有名なOBSも試してみて、使えることは確認しています。ConsoleLinkの方が機能も画面もシンプルで動作も軽いので、Vision Proで4Kゲームプレイをするためだけなら、ConsoleLinkの方が良さそうです
iPadでもちょっとできる
ここまでVision Proにゲーム映像を送る手段として、Macを中継デバイスとして使ってみましたが、iPadとElgato 4K Xを接続して使うこともできます。
ですがiPadの本体ディスプレイは解像度が2.5Kしかなく、VisionProには、iPadの画面のミラーリングしかできないため、実質解像度は2.5Kになってしまう感じです。
アプリは、先ほどMac用で紹介したConsoleLinkが、iPad対応にもなっていて、つかえます。
実質の解像度は2.5Kだと思うのですが、ConsoleLinkの入力解像度を4Kにした方が、フルHDよりは綺麗には見えるんですよね。プラシーボ効果かもしれませんが。
ただ4K Xの性能を引き出しているとは言い難いので、費用対効果は悪いかも。
Vision Proへのミラーリング解像度が、iPadの内蔵ディスプレイの解像度に引っ張られるなら、iPadに4Kの外部ディスプレイを繋げて、その画面をAirPlayすれば、4Kで表示できるのでは、と思ったので試してみました。
結果はNG。
iPadに、いつも仕事のMacで使っているThundeboltドックを接続し、5K2Kディスプレイと4K Xを入力した状態にしてみました。
外部ディスプレイに4K表示まではできているようですが、iPadのAirPlayミラーリングは、本体ディスプレイしかミラーリングできないようで、外部ディスプレイの表示をVision Proにミラーリングさせることはできませんでした。惜しかった。
まとめ
ちょっと寄り道しましたが、Vision Proでほぼ4Kの、迫力のゲームプレイを楽しむ方法を紹介させていただきました。
Vision Proの価格が高いのは、iPhoneの50倍のピクセル密度と言われるディスプレイユニットにあると思われるので、4Kゲームであれば、その解像度の高さを活かすことができます。
一方で、VisionPro単体では、4K60fpsのような高スペックが必要なゲームを走らせられないですし、Macには処理力があってもゲームタイトルがない。
PS5は、PSVR2を常識的な価格に抑えるには、片目4Kのディスプレイを採用することはできない。
といったように、それぞれのデバイスの利点、弱点があるところに、これらを組み合わせ補完できるパーツが4Kキャプチャデバイスでした。
4K Xはキャプチャデバイスの中では高機能で、価格も高いのですが、Vision Proに4K入力できて、PS5のゲームをプレイできるので、Vision Proを持っていて、ゲームをよく遊ぶ人にとっては、追加投資としては、かなりいいのではないかと思っています。
このシステムがかなり有用だったので、使い古したコントローラーでは物足りなくなり、ブラックフライデーセールの時に多少安かったので、Vision Proでプレイするため、新しくブラックのDualSenseを購入してしまいました。
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・Elgato 4K X