GoPro Max 360度映像の本体内スティッチの威力は?

GoPro Maxの撮影機能もだいたい把握できたが、やはり気になるのは、360度映像を編集に使うまでに、どのぐらいの時間がかかるか、というところ。

今まで持っていた
Theta Sにしろ、GoPro Fusionにしろ、Insta360 EVOにしろ、この後処理時間の異常な長さのおかげで、普段使いの実用にはかなり苦しい、というのが現実だった。

360度映像は、前後別のレンズで撮影する。
おそらく別々のカメラが二台入っているのと同じなのだろう。
Fusionは、その2つのカメラに対応するため、録画ストレージも別々だった。Insta 360は、ストレージは一つだったが、ファイルは、前後別に作成されていた。

これを後処理で、前後貼り合わせて、つなぎ目を消す、スティッチという処理をしているわけだが、この処理にめちゃくちゃ時間がかかる。Macなどで、一晩かけても終わらない、ということもザラ。
また、うまく貼り合わせができなくて、エラーがでてストップ。結局使い物にならない、というケースが、Fusionでも、Insta 360でも出ていた。

GoPro Maxは、本体内でリアルタイムで、あらかじめスティッチするという、360度カメラにしてみれば、画期的な方法をとっている。本当にスティッチ処理が本体内でされているなら、撮影終了後から、後処理せずに、すぐに編集に入れる。

この威力がどんなもんか、時間を測ってみた。

まず用意したのは、1分間の360度映像、5.6K、30fps。SDカード上のファイルサイズは500MB。撮影はHEVC形式。

これをiPhone XS MaxにWiFi経由で転送してみる。
GoProアプリで、映像のプレビューを表示して、ダウンロードボタンと、ストップウォッチの同時押しで計測。

スタート直後に画面に表示された処理時間は7分ぐらい。
実際のストップウォッチの計測結果は、7:05なので、ほぼ同じだった。

おそらく変換処理は入っていないと思われるので、ほぼファイル転送の速度だろう。

ちなみHEVC形式で撮影したものは、iPhoneで読めない可能性があります、というアラートが出るが、うちのiPhone XS Maxも、iPad Proも問題なく表示できた。

次に、Macでの編集の場合。

Macには、Mac AppStoreで入手できるMax Prayerという専用のアプリがある。
Maxの360度動画ファイルは、.360という拡張子の専用ファイルだが、これを表示、再生、編集できるアプリ。

MaxのSDカードには、最初から、.360のファイルで保存されているが、これを直接みて、リフレーム編集作業をするのであれば、ゼロ秒で編集ができる。
今回は、FinalCut Pro Xに読み込んで編集することを想定して、FinalCut Pro Xで読めるmp4形式に変換するスピードを計測してみた。

自分の手持ちのiMacは、Late2012。
iMacとMaxをUSB-Cケーブルで直接接続してマウントしたいところだが、うちの環境だと、なぜかマウントできないので、SDカードを抜いて、カードリーダにマウント。
その状態で、MaxPrayerでファイルを開き、5.6k、ProRES形式、ワールドロックなしで外付けSSDに書き出した。

実測値は、2:06。

HEVCにしたら、ProRES変換しなくなるから、速くなるかと思ったら、計測を諦めるぐらいに激遅になった。

というわけでまとめ。

GoPro Maxの360度映像は、内部で360度映像として前後貼り付けられた専用ファイルで保存されている。
iPhone/iPadは、転送に時間をかかるものの、スティッチ処理は必要ない。
Macの場合は、ProRES変換の時間はかかるが、撮影時間x2倍ぐらい。

よって、かなり実用的になったことは間違いない。



GoPro MAX